数字で見る回復期リハビリテーション病棟(2024.10~2024.12)
回復期リハビリテーション
回復期リハビリテーションは、看護師やリハビリスタッフの配置人数・1日に受けられるリハビリの単位数・種類、重症患者の割合などによって、6段階の病棟基準に分けられます。
サンテ溝上病院は、最も高い病棟基準となる「回復期リハビリテーション病棟入院料1」を満たしており、質の高いリハビリテーションを患者さんとそのご家族に提供しています。
リハビリ単位数
患者1日当たりの平均実施時間
1単位:20分
※全国平均は6.29単位(2022年度回リハ病棟協会調査)
実績指数
短い入院期間でどれだけ日常生活能力を高められたかを評価するリハビリテーションの実績
効率の良いリハビリを行っている施設ほど実績指数は高くなります
※全国平均は48.5(2022年度回リハ病棟協会調査)
在宅復帰率
退院患者全体のうち“自宅”や“特養”等へ退院された方の割合
重症患者改善率
入院時に重症であった方が、退院時に症状が大きく改善した割合
重症度割合
入院時に評価した日常生活自立度(FIM)が55点以下の方の割合
疾患別患者割合と平均在院日数
疾患別 患者割合 |
平均 在院日数 |
|
---|---|---|
全体 | 100% | 71.7日 |
脳血管 | 82% | 74.1日 |
整形 | 18% | 61日 |
廃用 | 0% |
回復期リハビリテーション病棟
回復期リハビリテーション病棟では、脳血管疾患、大腿骨頸部骨折などの急性期治療後、各分野の専門職種がチームを組んで集中的な治療とリハビリテーションを実施します。
患者さん一人ひとりの状態に合わせた計画を立て、チームの各担当スタッフが、入院直後から寝たきりにならないよう起きる、食べる、歩く、トイレへ行く、お風呂に入るなどの日常生活への積極的な働きかけで改善を図り、家庭・社会への復帰を支援します。
50床の回復期リハビリテーション病棟に理学療法士21名、作業療法士11名、言語聴覚士4名、合計36名のセラピストを配置し、365日、各患者さん1日あたり2~3時間のリハビリテーションを提供しています。
病院というと、医療者が患者さんの「病気」を治す場所、というイメージを持たれがちです。しかし、回復期リハビリテーション病棟は、病気や怪我などにより低下した「活動」を取り戻す場所です。低下した機能を訓練したり、残存している機能を強化したりすることで、低下した活動を育み、その人らしい生活や暮らしを再構築することが最終目標なのです。そのためには、医師、看護師、療法士、その他関係職種のチームワークはもとより、主人公となる患者さんの意欲と努力も非常に重要になります。
我々は、当院の理念である「ほこれる医療」を実践するため、患者さんに寄り添い、みんなで力を合わせて、患者さんの尊厳ある人生を支えます。
ひとりでも多くの方が、その人らしい人生を取り戻し、生活の場に戻っていくためのお手伝いができればと思っています。
対象疾患 | 入院期間 | |
---|---|---|
1 | 脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症後もしくは手術後、又は義肢装着訓練を要する状態 | 150日 |
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷および頭部外傷を含む多部位外傷 | 180日 | |
2 | 多肢の骨折、大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の骨折 | 90日 |
3 | 外科手術又は肺炎などの治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後又は発症後 | 90日 |
4 | 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の神経、筋又は靱帯損傷後 | 60日 |
5 | 股関節又は膝関節の置換術後の状態 | 90日 |
6 | 急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態 | 90日 |
入院から退院までの流れ
生活を見据えたさまざまなリハビリテーション
身体機能や生活の質の維持・向上を目標に、担当リハビリスタッフがマンツーマンで患者さん一人ひとりの今後の生活に合わせたリハビリテーションを提供します。
言語聴覚士を中心に、医師・管理栄養士と共に飲み込みの検査や評価を行い、患者さんにより適した食事の形態や食事姿勢を選定します。摂食・嚥下機能の改善を図り、安全な食生活が送れるよう支援しています。
退院後の生活での移動環境(距離や経路)や手段(公共バス等)に合わせた訓練を行っていきます。また、退院後に必要となる家事動作(買い物、調理、掃除、洗濯)等、実生活に近い環境下での訓練を行います。
集団の場での訓練を通して、対人交流や社会交流機会の獲得、コミュニケーション能力の向上を図ります。また、個別でのリハビリ以外での活動時間を設けることで生活リズムの構築に取り組んでいます。
マシントレーニングを軽負荷で行い、全身各部位の使っていない筋を動かします。立つ・歩くなどの基本的な動きを楽にしていくためのリハビリテーションです。
ご家族の方に、実際にリハビリを見学していただき、患者さんの身体状況や生活状況を説明しています。また、退院後に家族の介助が必要な場合などは介護指導や生活指導を行っています。