サンテ溝上病院でも、脳のカテーテル治療を開始しました!
脳のカテーテル治療は、1990年頃に始まりました。私は2003年に東京の日赤医療センターで研修をスタートしましたが、その際、脳神経外科の先輩に、「溝上くん、脳神経外科志望だって?これからは、脳卒中はカテーテルの時代だよ」と言われたことを覚えています。それから現在までの約20年、脳のカテーテル治療の進歩はめざましく、脳動脈瘤の破裂予防のための「コイル塞栓術」や、脳梗塞の原因となる頚動脈狭窄症の「ステント留置術」が日常的に行われるようになりました。
その中でも、2015年頃から急速に広まり出した、脳梗塞の超急性期に対する「血栓回収療法」は「脳カテーテル治療が、社会に貢献できる!」と切に感じるインパクトの強いものでした。この治療は脳神経細胞が死んでしまう前に、カテーテルを使って、脳血管に詰まってしまった血栓を回収するという治療です。 前任地の佐賀県医療センター好生館で、現副院長の上床武史先生とこの治療を多く行いました。麻痺や、寝たきりの後遺症が懸念される患者さんが、この治療の恩恵でまるで脳梗塞が起こらなかったごとく、歩いて帰って行き、元気に過ごされる姿を目にしました。サンテ溝上病院は、この治療を継続的に地域に根付かせたいと日々努力しています。これからも、周囲の大病院と連携しながら、地域の脳卒中で困る人を1人でも減らすことができたらと願っています。
当院でも「血栓回収術」「頸動脈ステント留置術」「脳動脈瘤コイル塞栓術」等の脳カテーテル治療を開始いたしました。

院長 溝上 泰一朗