下肢静脈瘤とは

足の表面の血管(伏在静脈)が拡張し、コブのようにボコボコとなる病気です。

どのような病気?

すぐに命に関わる病気ではありません。
破裂して出血する、血流が悪くなって切断になるといったことは起こしません。
ただ、一度できた静脈瘤は内服薬でよくなるわけではないので、根本的に治すためには手術が必要になります。

原因は?

静脈弁が壊れ、心臓に戻るべき血液が逆流することで静脈が拡張します。
静脈弁が壊れる原因には、加齢、遺伝、立ち仕事、妊娠などがあります。

症状

見た目の血管が腫れます。
血液の逆流によってふくらはぎに血液が溜まることで
下肢の重さ、だるさ、むくみ、熱をもった感じ、痛み、こむら返りなどが起こります。
進行すると皮膚の色素沈着、かゆみ、潰瘍が起こります。

診断

エコー

逆流があるか、ないかを調べます。

CT

静脈瘤の走行を調べます。
造影剤を使用しない検査です。

MRI

深部静脈に異常が疑われる場合に行います。

治療

保存的治療

弾力ストッキングなどで下肢の圧迫を行います
下肢の圧迫で血液がたまらないようにすると、症状が軽減できます
しかし、瘤化した血管はもとには戻りません。症状軽減や進行予防の目的で使用します。

硬化療法

静脈を針で刺して、硬化剤(糊のようなもの)を注入し、血管を閉塞させます。
手軽にできますが、効果が不確実で再発が多いです

手術

・静脈抜去術(ストリッピング手術)

以前から行われている手術です。
足の付根と膝の内側の2箇所を切開し、逆流のある大伏在静脈を抜去します。

・血管内焼灼術(レーザー治療)

膝の静脈を穿刺し、レーザーファイバーを挿入します。
血管の内側から大伏在静脈を焼いて、血液が流れないようにします(逆流を防止します)

下腿の蛇行の強い血管は、静脈抜去手術、レーザー治療のどちらの手術でも治療ができないため、
その部位は部分的に切開し、静脈を摘出します。
その他、硬化療法なども組み合わせて、どの治療がよいか判断し、患者さんに合わせた治療計画を立てます。

静脈瘤は命に関わる病気ではありませんが、手術でしか治らない病気でもあります。
静脈瘤をもつすべての患者さんに手術が必要なわけではありません。
どこの病院に行ったらよいか、何科に見せたらよいか悩んでいる患者さんも少なくありません。
見た目が気になる、足のだるさ、むくみなどで悩まれている方は気軽にご相談ください。

担当:血管外科部長 奈田 慎一

ご希望の方は、血管外科の外来日にご来院ください。
お電話での予約も随時受け付けております。

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佐賀県佐賀市大財町1丁目6-60
医療法人 同愛会 サンテ溝上病院
0952-24-5251
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