静脈血管の役割

血管には動脈と静脈があります。『動脈』は心臓から全身に血液を送り出す役割をする血管で、心臓から拍出する高い圧力に耐えられるよう弾力があり、心臓の収縮に伴った拍動があります。血液は全身に流れ、酸素や栄養を供給した後、また心臓まで戻ってこないといけません。この送った血液を心臓に戻す血管が『静脈』です。

図1のように、足の静脈は大伏在静脈、小伏在静脈、穿通枝、を通って深部静脈に流れこみ、心臓へ血液を戻しています。

 

下肢静脈瘤の原因

 

静脈瘤はこの逆流防止弁がなんらかの理由で壊れてしまうことで、心臓に戻るべき血流がうまく帰ってくることができず、表在静脈に余分な血液が流れ込むことで静脈の拡張・瘤化が起こります。

逆流防止弁が壊れる原因は、遺伝や加齢、妊娠・出産、立ち仕事などがあります。

下肢静脈瘤の症状

症状としては、血管がボコボコと浮き出るという見た目の症状のほか、

むくみ、重だるい感じ、こむら返り、かゆみ、皮膚炎、潰瘍などが起こります。

瘤になった静脈内に血栓ができると、強い痛みが出現します。

 

 

下肢静脈瘤の診断方法

静脈瘤の診断は、表在静脈(大伏在静脈や小伏在静脈)に逆流がないかどうかを調べる必要があります。これはエコー検査ですぐに分かります。

治療について

根本的に治すためには、手術で緩んで逆流する静脈の血流を止める必要がありますが、静脈瘤の症状は血液がふくらはぎに溜まることで起こる症状なので、症状を軽くしようとする場合は、静脈血をなるべく足に溜めないようにする必要があります。具体的には、弾力ストッキング、足のマッサージ、ふくらはぎの運動などです。

命に関わらない病気ではあるので、専門外の先生に静脈瘤を相談しても、『死なない病気だからそのままでいいよ』と軽くあしらわれることも多く、どこで相談していいかわからないということも起こります。ただ一度緩んだ静脈弁は、自然と良くなることはなく、お薬の治療で元に戻るわけでもないので、治るということはありません。徐々に進行していきます。

当院ではそれぞれの治療の特徴を考え、専門医が患者さんにベストな治療法をご提案します。

手術適応の場合には、日帰り手術も可能です。お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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